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The Elder Scrolls Online 【じ えるだー すくろーるず おんらいん】 ジャンル MMORPG 対応機種 WindowsOS Xプレイステーション4Xbox Oneプレイステーション5Xbox Series X/S 運営・開発元 Bethesda SoftworksZeniMax Online Studios 販売元 【PC】DMM GAMES【CS】Bethesda Softworks 発売日 【PC】2016年6月23日【CS】2023年11月15日 定価 【PC】1,980円(税別)【CS】2,600円(税別) 判定 なし ポイント シリーズ初のオンラインゲームMMOでも健在の自由度初代以来となるタムリエル全土を旅可能(予定) The Elder Scrollsシリーズ 概要 ストーリー 特徴 職業(クラス) 勢力・種族 成長システム 装備 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 20年以上の歴史を持つ人気RPGシリーズ初のMMO化。公式での略称は『ESO』となっている。 シリーズの中でも最も過去の第2紀583年が舞台(*1)であるが、これは後の歴史に影響しないパラレルの世界であるとされている。 プレイヤーが3陣営のいずれかに所属して大陸中央で戦争を行うPvPも実装されている。 海外版サービス開始から2年経ってDMMにより日本語版サービスが正式にスタートされた。 ストーリー 内戦と反乱で第2帝国が崩壊し、戦火の絶えない動乱の時代が続いていた。 第二紀578年。デイドラの君主モラグ・バルは各地に「ダークアンカー」を打ち込みオブリビオンの領域「コールドハーバー」とニルンを融合させんとし、帝都は”虫の王”マニマルコの死霊術師達とデイドラの軍勢によって制圧されてしまった。 混乱の渦中にあったタムリエルで空位となった帝国の玉座・白金の塔を巡り3つの同盟軍が戦端を開こうとしていた。 ウェイレストの上級王の下ではハイロック、センチネル、オルシニウムの3国が団結し、ダガーフォール・ガバナントを結成。 一方でヴァレンウッドとエルスウェーアはサマーセットでアルドメリ・ドミニオンを結成。 さらにブラック・マーシュ、モロウウィンド、スカイリムも不安定ながら第三の同盟軍エボンハート・パクトを結成していた。 3つの勢力はそれぞれ帝国領を中心に争い合いながら、オブリビオンの暗黒の勢力から白金の塔を奪い返し、帝都の覇権を取り戻そうとしている。 そんな中、モラグ・バルの領域「コールドハーバー」に囚われていた定命の者が何者かの導きによってコールドハーバーを脱出しタムリエルに帰還した。 果たして彼は、いずれの勢力に与しこの大戦を動かすのか、それとも…。 特徴 職業(クラス) 全部で6種類。2023年6月に新職の追加が予定されている。 ドラゴンナイト(Dragonknight) 戦士。火属性の魔法と接近戦に特化しており、攻撃力や防御力を強化するスキルが多い。PvPでの面と向かってのタイマン能力は頭一つ抜ける。 盾を使ったタンク、両手武器や二刀流で削りとシンプルな殴り合いが得意。 ナイトブレイド(Nightblade) 暗殺者。戦闘中に不意に消えたりなどステルス系が得意。典型的な対人特化職で、バックスタブから即透明化という闇の一党めいた一撃離脱や斬り込み能力の高さから多人数PvPでの遊撃で猛威を振るう。 二刀流で近接、遠距離は弓とマルチレンジで戦える物理削りのエキスパート。PvEでも瞬間火力は随一。 ソーサラー(Sorcerer) 魔法使い。破壊・召喚魔法のエキスパートで特に雷属性魔法と戦闘ペット召喚が十八番。スキル射程が長く、単体よりも範囲寄りの攻撃が多い。 主な武器は炎と電撃の魔法の杖や、意外だが二刀流の適性が高い。 地上型・飛行型のデイドラペット2体を常に出したまま活動でき、活動時間に制限がある嵐の精霊(*2)をさらに召喚といったワラワラプレイも可能。 体に電撃を纏って防御を上げながら周囲にダメージを与えたり、電撃そのものと化して超速で瞬間移動したりと肉体派な技も持つ。 テンプラー(Templar) 僧侶。ランサー型の攻撃スキルや回復魔法や対アンデッド用の魔法を使う。 ヒーラー・タンクの適性が高いが、オーラでできた槍を呼び出して投げたりラッシュを仕掛けたりと攻撃方面も伸ばせる。 ウォーデン(Warden) 自然術師(ドルイド)に似たクラスで、氷属性の魔法の他、動植物やキノコなどの菌類、昆虫などを操る。戦闘ペットとして熊を呼び出せる。 バッファー、ヒーラー寄りのスキルを多く持つ。 ウォーデンの利用には拡張パックの購入が必要。 ネクロマンサー(Necromancer) 死霊術師。PCやNPCの死体を媒介にしたスケルトン召喚や、死体から霊魂を吸収し己の力へと変えるトリッキーなクラス。 イメージに似合わず耐久力に優れ、PvEのタンク役に定評がある。 PTメンバー3人を即時蘇生させるスキル持ちで窮地を一気に巻き返したりもできる。 戦闘ペットとしてスケルトンの魔術師か弓手のどちらか一体を呼び出せる。 この世界では存在その物が禁忌であるため、術を使ってる場面を街中NPCや街道を歩く行商人に目撃されると犯罪扱いとなる。 ポテンシャルはあるが癖の強さから使い手はあまり多くない。 ネクロマンサーの利用には拡張パックの購入が必要。 アルカニスト(Arcanist) 2023年6月の大型DLC「ネクロム(Necrom)」で追加される職業。電撃中心のソーサラーとは別系統の魔法使い。 デイドラ公ハルメアス・モラにまつわり、魔導書を片手に破壊魔法やルーン魔術を操り、SAN値の下がりそうな冒涜的な触手生物を召喚して攻撃したりする。 入口と出口のポータルを設置し、離れた場所へ瞬間移動が可能。 勢力・種族 プレイヤーは3つの勢力から1つを選んでゲームに参加することになる。 本作について勢力と種族は結びついているため、勢力外の種族を選ぶという自由は基本的にはない。また、初期状態ではインペリアルをキャラクターとして選択することはできない。 勢力外の種族やインペリアルをプレイヤーキャラクターとして選択するにはインペリアルエディションを購入するか、ゲーム内通貨「クラウン」でアップグレードする必要がある。 稼働初期は選択した同盟以外の地域アクセスや他同盟PCとパーティを組むのに制限があったこともあり、シリーズの人気タイトルである『Morrowind』と『Skyrim』を有するエボンハート・パクトにプレイヤーが殺到したこともあったが、無料DLCの「One Tamriel」によって他同盟への地域アクセスやパーティの制限が撤廃され現在のプレイヤー人口はほぼ平均化されている。 アルドメリ・ドミニオン(The Aldmeri Dominion) 構成種族はハイエルフ(Altmer)、ウッドエルフ (Bosmer)、カジート(Khajiit) サマーセット諸島 (Summerset Isles)、ヴァレンウッド(Valenwood)、エルスウェア(Elsweyr)の同盟。同盟首都はヴァレンウッド(グラーウッド)のエルデンルート。 中心地がウッドエルフの縄張りであるためか緑が多い。エルデンルートは世界樹のような巨大な樹木の内部にできた都市でステレオタイプなエルフの国を思わせる。 エルデンルートの幻想的な景観に心を奪われるが、施設のいくつかは城内エリア判定で馬が呼べず、階層や部屋移動で一々ロードを挟むなど実用面で少し難。 特にクラフトデイリーの移動距離が罰ゲームじみており、AD所属でも他の街で制作・納品するプレイヤーが多い。 シンボルカラーは黄色で、シンボルマークは鷲。 現在の帝国中心の統治からそれ以前のエルフによる大陸の統治に戻すことを目指している。カジートは盟主であるエルフの女王アイレンに恩義あるため参加している。『Skyrim』からは時代が大きく離れているものの、同名組織の前身と言える。 アイレンは貴族主義で知られるハイエルフながらも冒険者として世界を渡り歩いていた現場肌の人物で、他種族に偏見を持たないがそれ故に同じハイエルフの権力者たちとのいざこざが絶えない。クエストも内ゲバが多い。 下部組織に外交部門・サマーセット諸島の司法権を持つ神聖執行局を内包した「サルモール」や、ハイエルフの権力者が中心の学術会議組織「サピアルチ」などがある。 ダガーフォール・カバナント(Daggerfall Covenant) 構成種族はブレトン(Breton)、レッドガード(Redguard)、オーク(Orcimer) ハイロック(High Rock)、ハンマーフェル(Hammerfell)、オルシニウム(Orsinium)の同盟。同盟首都はハイロック(ストームヘブン)のウェイレスト。 いかにもヒューマンの国と言った感じのスタンダードな建物が多い。 首都ウェイレストは中世欧州の城下町と言った感じで景観が良く、各施設へのアクセス面でもバランスが良く人気が高い。 ハイロックが平原、ハンマーフェルが砂漠、オルシニウム(DLC)が雪国とコントラストに富んでおり、同盟内の移動だけでも旅気分が味わえる。 シンボルカラーは青で、シンボルマークはライオン。 現在の帝国の打倒、及び同盟3種族による大陸統治を目指しており、第二帝国下では自治が保障されていたオークも参加している。 ブレトンはスカイリムのリーチの民にハイエルフとノルドの血が混合したハーフエルフ、もしくは混血種であり人間エルフを意味する「マンマー」とも呼ばれる。かつて支配者階級にいたサピアルチの権力者達からは成り上がりの混血達、雑種などと蔑まれている。 同盟の中核及び盟主はブレトンであり、盟主はウェイレストで最大のオリハルコン鉱床を掘り当てて富を築いた豪商カンバーランド家の嫡男でカンバーランド朝の上級王エメリック。声を担当するのは藤原啓治氏。 本同盟はエメリックの卓越した交渉力とカリスマ性によって結成されたため団結力が高い。 エボンハート・パクト(Ebonheart Pact) 構成種族はノルド(Nord)、ダークエルフ(Dunmer)、アルゴニアン(Argonian) スカイリム(Skyrim)、モロウウィンド(Morrowind)、ブラックマーシュ(Black Marsh)の同盟。同盟首都はモロウウィンド(デシャーン)のモーンホールド。 寒冷地、火山地帯、湿地帯やジャングルといった険しい気候の地域が多い。 別大陸の強国アカヴィリ(*3)がタムリエルに2度目の侵攻を行った際にそれに対抗するため結成されたレジスタンスが起源であり、アカヴィリの撃退後はその矛先が支配者たる帝国へと向いた。 構成される将兵は生粋の戦好きであるノルドが突出して多く、同盟を取り纏める盟主はスカイリムのウィンドヘルム上級王であるスカルド王ジョルン。 政治的な理由(*4)と思われるが各同盟の中では唯一、同盟盟主の所在地と同盟首都が異なっておりややこしい 西スカイリムのソリチュードとリーチのマルカルスは独立国家としてウィンドヘルムと対立しており、モーサルはソリチュードに追従しているためいずれも非加入。 ファルクリースはノルド領だが、この時代でも帝国国境に面していることが災いし帝国のミノタウロスとリーチの同盟軍に攻め込まれている。 パクトの地域としてアクセスできる大きな街はウィンドヘルムとリフテンの二つで、いずれも『Skyrim』の時代と若干建物が違うが構造は変わっておらず、稼働初期からスカイリムの土地勘があるプレイヤーで賑わっている。 DLCでホワイトラン周辺以外の地域は大体解放されている。『Skyrim』のダンジョンや古墳はそのままのものや、より完全な形で残っているものもあり、広大な地下空間ブラックリーチやドラゴンプリースト「モロケイ」の眠るラビリンシアンも健在。 モーンホールドは機能美を追求したような首都で、ファストトラベル地点を中心に主要施設が密集しており、すぐ近くの宿屋には格安のアパート物件があり購入すれば無料テレポートが使い放題と、とにかく利便性が高い。 シンボルカラーは赤、シンボルマークはドラゴン。 3勢力の中では最も大きいと言われるが、ノルドはノルド至上主義を掲げており、ダンマーはダンマーで他国を劣等と見下し、アルゴニアンはダンマーの奴隷にされていた経歴があったりと、薄氷の上に成り立っている。 成長システム レベル50まではレベルアップごとに能力ポイントが加算され、それを体力、マジカ、スタミナのいずれかに割り振ってキャラを強化する。能力ポイントは一律有限であるため、限られたポイントをどう割り振るかがキャラビルドの鍵を握る。 スキルは種族、職業、ギルド、武器等のカテゴリに分類されており、スキルPを振ることで使用可能になる。 スキルはレベル4まで上昇すると「変異」として2つに分岐する。この分岐で選ばなかった側のスキルは途中から取り直しはできなくなる。 スキルPも有限ではあるが、能力ポイントに比べ獲得できる総数が多い。とはいえ、序盤はやはり使いどころを見極める必要がある。 能力P、スキルPの割り振りはゲーム内の通貨、もしくはクラウンを消費してリセットすることが出来る。 50以降はチャンピオンポイントと呼ばれるポイントが代わりに与えられるようになる。 チャンピオンPは戦士、魔術師、盗賊の3つの大星座に順番に与えられる。各大星座にはそれぞれさらに3つの下位の星座があり、ここにPを割り振ることで有用なアビリティが取得できる。 装備品の補正値はチャンピオンレベル160で頭打ちになるため、ここから装備品の厳選を開始するのが通例。いわばベテランプレイヤーの仲間入りと言える。 装備 装備箇所は頭・肩・腕・胴・腰・脚・靴・首飾り・指輪×2で、『Skyrim』等と比べ細分化されている。 多くの装備にはセット効果が存在し、同種の装備を2個以上身に着けると固有の効果が発動する。1つのセットにつき、最大で5つ目まで特有の能力が設定されている。 頭と肩の2部位で特殊な能力が発動するモンスターマスクセット、1部位で複数の能力を得られるがデメリットもある神話装備といったユニークな装備も存在する。 評価点 思うがままに生きる 『TES』シリーズ最大の特徴の自由度そのままにMMOを堪能できる。 クラスによって使用できるスキルこそ異なるものの、装備はクラスによる制限は一切無いので、自分のロールプレイに合わせて選択できる。 メインストーリーはあるが、例によって無視したまま別のクエストを開始してしまっても問題はない。 ただし、今作のマップはいくつかのエリアに分断された形になっているため、従来のように徒歩でどこまでも、というわけにはいかない。 自由度の高いキャラクタービルド 装備・スキル・ステ振り・チャンピオンポイント、そして職業の組み合わせで自分好みの動きができるキャラを自由に作れる。 一見すると紙装甲火力職のようなソーサラーでもタンクやヒーラーにすることもできるし、ヒーラーっぽいテンプラーであれば槍を使った近距離火力キャラにも、パラディンのようなガチガチ耐久タンクにだってできる。 やれることが多すぎて指標が無いと器用貧乏キャラが出来上がったり、育成面で迷子になりやすいため、ある程度は他者を参考にしてみるのがよいだろう。 無論、職業に応じたテンプレはあるがそれに倣うか我が道を行くか、あるいはコンセプトを汲んだうえでアレンジするかは貴方次第。 習得中のスキルや現在の装備など全てを武装セットスロットに保存でき、スロット切り替えで保存しておいたセット(タンク・ヒーラー・DPSなど)に即座に切り替えられる。 これによりセットの準備さえしておけば特定のロール募集シャウトにも素早く応じられる。 ただし、デフォルトのスロットは1つだけでスロット数拡張には課金が必要になる。 充実したクエスト 従来シリーズ同様にフィールドを巡ればどんどんクエストが舞い込んでくる。 クエストの内容が展開に富んでおり、『Oblivion』や『Skyrim』といったメインタイトルにも引けを取らない。 大抵のクエストには裏があると思っていい。一部のクエではキャラの生殺与奪をプレイヤーの決定に委ねられることも。 多種多様な装備 同じ轍の装備でも種族が違えばデザインも異なる。いずれもそれぞれの文化を反映した外見となっており眺めているだけでも楽しい。しかも、1つの種族でもさらに重鎧・中鎧・軽鎧でデザインがさらに異なる。 シリーズ恒例の碧水晶・黒檀・盗賊ギルド・闇の一党装備なども用意されている。 良心的なクラフト要素 鍛冶、錬金、調理などの生産も充実している。 一般的なMMOと比べ、クラフト要素を極めるのがかなり楽。不要な装備を片っ端から解体していればかなり早い段階で最高ランクに到達できる。 スキルランクが同等であれば誰が作っても同じ数値の装備が完成する。ランダム補正が掛かるようなこともないので「貴重な素材を投入したのに失敗した、もしくはゴミができた」ということがない。 基本的な素材はこちらのクラフトスキルレベルにのみ依存するため、上位の素材が手に入らないということがない。 最弱級の敵からもレベルに見合った素材がドロップするのでザコ敵であっても存在価値が失われない。 食品によるブースト量が過去作の比ではないほどに強化され、難易度の高いダンジョンや同盟戦争で必須と言われるほどの存在となった。 錬金で作成できるポーションも強力。しかしクールタイムが長めに設定されているのでヒーラーの立場を奪うことはない。 基本ソロで気ままに旅ができる 大規模戦闘コンテンツおよびPvP以外はソロでも攻略可能。 誰かと一緒に冒険する際もパーティ申請など不要。 現地に行けば戦ってる他プレイヤーと共闘してボスに挑むこともできる。 いわゆる専有や横殴りはなく、一定の条件を満たしたキャラ全員に報酬が与えられる。 シリーズ恒例のコンパニオンシステムがあり、特定のクエストをクリアするとNPCを一人だけ仲間として連れ歩ける。 コンパニオンにも装備スキルやレベルの概念があり、コンパニオンのビルドを工夫することで自身に不足した部分を補える。 ただし、DLCか「ESO Plus」という月額プランの導入が必要。 タムリエル全土が舞台 初代以来となるタムリエル全土が冒険の舞台。 ただし、現在は一部のみに留まっており、今後のアップデートやDLCで開放していく予定となっている。 それでも過去作では登場しなかった地域やMS-DOS時代にしか行けなかった地域にも行けるようになったため、ファンなら感動ものである。 『Morrowind』をプレイした人には感慨深いトリビュナルや、相変わらずクレイジーなマッドゴッド・シェオゴラス、更にこれまで書物でしか記述のなかったキャラ(*5)なども登場しゲームに華を添えてくれる(*6)。 これまでデイドラロードの中では地味だったモラグ・バルだが、今回は全ての元凶という立ち位置もあり、悪役として申し分ない存在感を発揮してくれる。 オブリビオンで巨大な存在感を放ったメイエールンズ・デイゴン、及びその領域「デッドランド」も健在。 DLCの南北エルスウェア地方ではあの有名な「Fus Ro Dah(フス・ロ・ダー)」を始めとしたドラゴンシャウトを操る強大なドラゴン達との戦いや、「ブレイズ」の前身である「ドラゴンガード」に加え、スカイリム内の文献で記された名有りのドラゴンの登場など、まさしく歴代『TES』シリーズの集大成のような充実ぶり。 フィールド造形 『TES』独特の美しいフィールドは今作でもさらにパワーアップ。最先端のグラフィックで超美麗というわけではないが、センスでそれを補っている。 草原や砂漠、雪山など様々なフィールドはもちろんのこと、アイレイドやドゥエマーの遺跡も登場する。 種族の違いが建築分野に大きな差異を生み出しており、砂漠系民族にしてもレッドガードはモスクのようなオスマン建築がベースだがカジートはアンコールワット風のクメール建築、ハイエルフは荘厳な宮殿だがウッドエルフは巨大な球根や大樹の中に住んでいたり、アルゴニアンは泥だけで家を作っていたりと街並みの景観も多種多様。 オブリビオンやスカイリムのように城壁でロードが入らないため、こちらのほうが開放感がある。 完全日本語化 『Skyrim』で散々だった翻訳も今作では修正が入り、概ね好評(*7)。 ただ、MMOであるため今後のアップデートはどうなるかは未知数である。 月額料金不要 ソフトを購入すればあとは月額料金なしでいつでもプレイできる。 「ESO Plus」という月額課金サービスで特別サービスなどを受けられる。 大きな特典としてはESO Plusを導入するだけで全てのDLCゲームパックを利用可能。簡単に言えば全ての街や地域にアクセスできる。 DLCの種類が多すぎてよく分からないという新規はとりあえずゲーム本体とこれに課金しておけば快適にプレイできる。 ただし、各DLCゲームパックには購入・予約特典があるがESO Plusだけでプレイしている場合はそれらは貰えない。 ESO Plusは30日で1980円。90日や180日分をまとめて契約すると割引される。月額課金としてはやや割高な部類だが、金額に応じた課金通貨のクラウンも貰えるため、クラウン単体を買うよりはお得感がある。 これに限らず、海外のサービスであるため課金システムは現実での為替レートによって購入価格が変動するため参考程度に。 騎乗用動物の差別化撤廃 騎乗動物の性能は馬・熊・虎など全て同じで、見た目や泣き声だけが違う。速度、スタミナ、アイテム所持数を調教して鍛えることができるが、これも個別ではなく騎乗カテゴリ全般に対して行われ、一頭も動物を所有していなくても鍛えられる。 「実用性の面から速い動物しか使えない」ということがなく、純粋に自分の好みの動物を使っていける。 メガサーバー 他のMMOによくある複数のサーバーという概念はなく、全プレイヤーが1つの世界でプレイできる。 メガサーバーはNA(北米)の他にもEUがあるが、日本語版からはNAにしかログインできないので気にすることはない。 ただし、CS版(PS4/One)はそれぞれ独自のサーバで、キャラの移動などもできない。 同盟戦争 今作最大の目玉要素。今回のシロディール地域は3勢力が覇を競い合う無法地帯となっており、PvP専用エリアとして独立している(*8)。 マップには要所要所に城・砦があり、隣接する自軍の拠点であればワープ移動が可能。城壁や城門を攻城兵器で破壊して施設内の旗を自軍の物に立て替えれば占領できる。 相手の陣地は敵NPC・PCが守っているため、ソロでの攻略は不可能。大人数で力を合わせることが肝要である。 無論キャラ自身の強さも大切であり、敵MOBとは違う装備の組み合わせやスキル構成を考える必要がある。 多数のプレイヤー同士が真っ向からぶつかり合う光景は大迫力の一言。 通常のレベルとは別に同盟戦争独自のランクがあり、拠点の占領や敵PCの撃破などでレベルアップすればスキルポイントが獲得できる。 同盟戦争はいくつかの大きなルールによってワールドが違い、それぞれ戦闘期間が異なる。期間終了時にポイントが集計され、一番多かった勢力が勝利となる。 多彩なダンジョン ソロダンジョン、パブリックダンジョン、グループダンジョン、トライアルダンジョンが実装されている。 ソロダンジョンは単独でもクリアできる程度のダンジョンで、いわば入門編に当たる。ボスもさほど強くはない。 パブリックダンジョンは2人以上でのクリアが前提。しかしキャラが育てば単独クリアは十分に可能。デイドラ公にまつわるダンジョンも多くシリーズファン向け。 グループダンジョンは4人クリアを目的としたダンジョン。報酬も魅力的で最もメジャー。 トライアルダンジョンは10人以上でのパーティーを想定した難易度。エンドユーザー向けでザコ敵もボスも恐ろしく強いが、報酬として強力な装備品が入手できる。 ジャスティスシステム おなじみの盗みや殺人を働く犯罪者プレイもできる。当然だが懸賞金がかけられるなどのペナルティもある。 犯罪行為はNPCにのみ対して可能で、他のプレイヤーキャラクターには行えない(*9)。 盗品は通常の店では買い取ってもらえず、大きな町にある盗賊ギルドの隠れ家で売り払う必要がある。しかし盗賊ギルドの加入といったハードルが存在せず、誰でもいつでも売れる。 NPCの職に応じてスリの成功率が違い、兵士や貴族は成功率が落ちるが、いい物が盗める。 今作の衛兵はプレイヤーへの抑止効果としての意味合いが強く、倒すことが出来ない無敵の存在となっている。衛兵の目を如何に掻い潜るかが問われる。 ハウジングシステム タムリエル各所からオブリビオンの領域まで、様々な場所に存在する物件をゲーム内通貨やクラウンを使って購入できる。 不動産だけあっていずれも高額かつ一部は課金限定となるが、クエストクリアを条件に宿やアパートの一室を恒久的に借りることが可能。 高額物件には城や宮殿、凄いものだと別荘付きの島を丸ごと買い取れたりもする。中には吹きさらしの土地だけを寄越してくるような曲者物件もあり購入者のセンスが問われる。 家具のクラフトに使う素材は一般素材の採取時に低確率で入手できる。一般的なクラフトゲーと比べて素材の収集にかかる時間が段違いなので、いっぺんにやるというよりはときおり旅の荷物の整理がてらに帰ってはコツコツ作っていくような形になる。 大型アプデや年始年末といった特定の時期に特別な家が期間限定で売り出される。その時に過去に販売終了した特別な家が再版されることがある。 家具は自身でクラフトレシピを入手して自作するか、ギルド商人を介して他PCからの購入、または街中の家具商人から購入できる。 課金限定だが家具一式が予め配置された状態の家を買うことも出来る。ただし機能付きの家具はつかない。 クラフト台やDPS計測用のカカシなどの機能を持つ家具はマスター依頼というクラフトスキルカンスト用のレアクエストをこなすことで手に入る依頼達成証を通貨代わりに専用のNPCとの交換で入手が可能。クラウンでの購入もできるがお高め。 実装自体はかなり後からだったがESOの影のメインコンテンツとも言われている。 サンドボックスゲームなみに配置を細かく調整でき、床・壁・階段・窓・天井といった建材もあるので土地さえあれば一から家を作ってしまうことも不可能ではない。 有志コミュニティによるコンテストでは様々な造形作品が生み出されており公式サイトにも取り上げられている。 家具には大型のテントもあるので作って置けば吹きさらしの土地の住居にできる。 家具の種類が非常に多岐にわたる上に、ユニークな家具はそんじょそこらのレア装備よりもレアであるため、凝ったハウジングはエンドコンテンツと言っても差し支えない。 その分、自分が描いた景観が出来上がった時の達成感は何とも言い難いものがある。 その他 「複数の敵の死体から纏めてアイテムルート」「頭装備の非表示切り替え」「装備している盾や杖を背中に背負う」など、『Skyrim』で好評だったMODを参考にしたと思しき点が確認できる。 馬の購入や装備モチーフアイテムの入手など、ゲーム内の要素はクラウンを使えば手順が短縮できる。じっくりプレイしたければゲーム内で鍛えればよいし、手早くしたいならクラウンで購入すればよい。 購入したペット、髪型、タトゥーなどは全てアカウント内で共有され、キャラごとに買う必要はない。 賛否両論点 アクの強いキャラクター造形 もはや『TES』シリーズの伝統か。例によって日本人好みの端正な顔つきのキャラクターは作成できないため、人によってはモチベーションに繋がる。 ただし、あくまで「日本人好みの」という視点からの話であり、実際はそこまで酷くはない。 アルゴニアンやカジートは従来よりもより獣人らしさが増しており、アルトマーやボズマーなどエルフたちは従来よりも美形が作りやすくなっている。特に今回のオークは(牙を無視すれば)結構美形が多い。『Oblivion』と違って鼻筋が通った造作のキャラが多いためである。 ちなみに、このシリーズのオークはオーシマーというハイエルフと祖を同じくするエルフの一派であり、女性NPCは大体美人。 手足の部位の大きさや腕や胴の太さまで設定でき、体型の自由度は過去最高となっている。 「日本とアメリカでは感性が違うのだろう」と思いきや、OPムービーのアルトマー女性は普通にカッコイイ系の美人である。 倒した相手の装備を奪えない 従来であれば倒した相手の装備を剥いだりできたが、今作では装備はランダムドロップになっている。何も落とさないことも多い。 BOT対策でもあるのだろうが追い剥ぎプレイができず残念という声も。 ただしこれまでの様に装備一式 + アイテムの様な形だとすぐに持ちきれなくなってドロップ品を全て回収しないと気が済まない様なプレイヤーはもどかしい思いをする事が多かったので一概に悪い事とは言えなかったりもする。 不特定多数のプレイヤーが入り混じるダンジョン 本作ではクエストを受ける際にパーティを組んだりする必要はないが、ダンジョンにわらわらと他のプレイヤーが集まる。 ボスも別部屋に隔離されたりしないので他のプレイヤーと共闘できるがボスにほとんどダメージを与えなかったために討伐フラグが立たないことも。 その場合はボスがリスポーンするのを待つことになる。なんともシュールな光景である。 他人の入れないソロ専用のダンジョンもある。 現地で出会った他プレイヤーとの共闘は楽しみでもあるが、人数が多すぎるとわけのわからないことになる。 死んでもリスポーンするNPC スリ取ったり暗殺可能な一般NPCは一定時間でリスポーンする。そのためにアイテム目当てに暗殺された一般市民がちらほら目につき、かなり血なまぐさい。闇の一党もここまでしないぞ。 金を稼ぐ手段としては盗みが一番手軽で儲かる事、NPCの持ち物がリセットされるよりNPC自体のリスポーン期間の方が短い事がこの事態に拍車をかけている。 PvPでしか取れないスキルがある 多人数PvPである同盟戦争では敵PCの殺害(アシスト込み)、拠点の奪取で功績を入手することで専用のスキルを獲得・強化できる。 全体回復スキルの活力、全体に超硬ダメージシールドを展開する障壁、継続ダメージ+移動速度+防御ダウンを付与する鉄びしなどPvEでも強力無比なスキルが多々あり、PvPへの参加動機やモチベーションの一つとなっている。 だが、同時にタンクやヒーラーは活力や障壁を習得していて当然といったような風潮もできてしまっており、PvEだけをしていたいプレイヤーもPvPの参加を半ば強要されてしまっている。 アプデで重さは多少改善されてきてるとは言え、同盟戦争は多数のプレイヤーが入り乱れるのでどうしても処理が重くなる。突然フリーズして戻ったら死んでいたなどは日常茶飯事なのでそう言った意味でも嫌がるプレイヤーはいる。 PvPとPvEでは求められるステータスの振りや装備が全く異なり、PvE装備で挑んだところでPvP熟練者には全くダメージが通らないか瞬殺される。 自軍が多く参加しているタイミングで敵拠点に一緒に雪崩れ込んで落とすのが手っ取り早く稼げるが、このゲームの主要人口である海外組の活発な時間帯以外は難しく、前述の処理落ちやフリーズの問題もあるため万人が享受できる手段とは言い難い。 デイリーログイン報酬で功績が一定量得られるがログイン報酬に功績が含まれるのは隔月なため、それだけで全スキルを取得・成長させるのは長い時間が必要になる。 アドオン関連 従来作でいう所のMODに近い追加機能。 ただし、バランスや装備などはゲームプレイに直結する問題になり、MMOとして成立しなくなるのでUI関連ばかりである。 煩雑な操作の自動化やメニューをたどらないと見えない情報の常時表示など。 MODと同じくユーザー製のため導入は自己責任。日本語対応のものも少ない。 ダンジョン検索機能 いわゆるマッチングシステム。 ロール(盾・ヒラ・DPS2名)の枠組みで4人用のグループダンジョンの自動マッチングが可能。 入るダンジョンをランダムに設定しておくとクリア時に特別報酬のボーナスが付く(*10)。 難易度ベテランの場合は予習が必要なギミックが随所にあるため、個々の練度が分からないこともあって解散という事態も起きやすい。 ランダムマッチングでは基本的に日本人とマッチするケースは非常に稀であるため、英語で最低限の挨拶程度は覚えておいた方が良い。 開始時は「hi」と、クリア時に「tyfg」とチャットで打っておけばとりあえず何とかなる。 DLCで追加されたダンジョンの殆どは初期からあるダンジョンより難度が高い傾向がある。 「ESO Plus」を導入してプレイの浅い新規がランダムマッチでいきなり初見殺しギミック塗れの極悪ダンジョンを引き当てる可能性がある。 金策・競売関連 本作ではNPCを通して行われるプレイヤー間でのアイテム売買にはギルド加入者のみ販売可能なギルドストアを介して行われる。 ギルドストアは街や街道沿いに最初から配置されている屋台を使う占有型であるため、ストアを使えるギルドの数に上限が存在する。 使いたい屋台の利用権を巡って入札による競りを行い、勝ち取ったギルドが一週間のあいだ貸切る椅子取りゲーム式。 同盟首都の繁華街のような最好立地は大手のギルド同士が巨額を投じて維持や乗っ取りを争う激戦区であり、中規模ギルドは二番手の大都市やDLCの都市、小規模ギルドだと人通りのまばらな郊外や田舎町が大半となる。 ギルドストアの開設はギルドに最低でも50人以上在籍している必要があり、新たにギルドを作ろうとしてもストア開設にまで持っていくのは非常に難しい。 現状、日本人ギルドで継続してストアを開設しているところは数える程もなく、立地も基本的に田舎となってしまっている。 また、ギルドストアでの売り上げの7%が税金としてギルド銀行へと貯蓄され、それが次週の入札資金として活用される仕組みとなっている。 そういった事情から首都圏のトレードギルドではキツめの売上ノルマを課されることが多く、未達成だと解雇などの処置を受けることがある。 立地と自身のプレイスタイルを見合わせてある程度妥協する必要もある。ちなみに、首都圏の有名どころは週に最低20~30万G程度の売り上げノルマが多いが相当ガッツリ型でないと苦しい。 ギルド未加入ではギルドストアからアイテムは買えても自身のアイテムは売れないため、ぼっちは常に懐が苦しい。プレイヤーとしての私見ではストアでの収入があると無しでは途轍もない程の所得格差がある。 通常クエスト報酬で得られるゴールドは雀の涙程度であり、ソロでのメイン収入源と言えば主にデイリークエスト。ダンジョンで拾ったアイテムを商人NPCに売るなどもあるが時給効率はあまりよろしくない。 クリアに10~30分ほどかかるグループダンジョンで拾ったアイテム全売りで約1500G、通常クエ報酬が80~300G、クラフトデイリーが1つ約600G。 ちなみに、ハウジングに適した中サイズの家の購入額が30万G前後、ギルドストアでの高級装備は数十万程度で取引され、希少な武具や家具なら優に100万を超え、最高級の家は380万Gと聞けばストア収入無しで手を伸ばすのは中々気の遠くなる話である。 討伐やダンジョン探索などを一日がっつりやったとしてもソロでの稼ぎは概ね1万~2万G程度。 泥棒スキル・盗賊ギルドスキル・闇の一党スキルを駆使したNPCからのスリ、あるいは暗殺して死体から奪った盗品を盗品商に流す方法で一日一万G以上は手堅く稼げる。だが盗賊ギルドと闇の一党はDLC導入が条件かつスキルの育成も手間がかかる。何より犯罪行為なので人によっては躊躇も生まれる。 釣りで入手した魚を使用した(魚肉へと加工される)際、低確率(*11)で手に入る「完ぺきな魚卵」というアイテムがギルドストアで高額取引されるため、釣りも金策手段として根強い人気がある。 釣り能力を上げる料理やチャンピオンスキルに釣り強化系スキルがあり、それらを併用するとそこそこ狙える。 DLC「グレイムーア」で占い・発掘システムが実装されたことで経済・金策事情が大きく変わっている。 ソリチュードで習得できる占い・発掘スキルはミニゲームで宝の埋まっている場所を占い、古遺物を掘り当てるのだが、この際に手に入る換金アイテムがNPCに異様な高額で売り飛ばせる。 初級クリア時(250G)に確定で中級(1000G)へと派生し、中級からは各マップ一度だけ上級(5000G)へと派生する。 中級以上は占いで使う「手がかり」が消耗品だが、初級は条件無しでいくらでも占うことができ、占うたびに宝がどこかに生成される謎仕様。 ソロ金策が渋すぎたことのテコ入れだとは思われるが、その気になれば1日で数十万稼げてしまうという、過去の金策は何だったのかというほどにソロでも金が溜められるようになった。 無限に金の湧くNPCからこのようなペースで引き出しているため、1年でストアの相場が数倍になるなど市場のインフレ化が大きな懸念材料となっている。 ソロではこれ以外の作業での収入が労力に全く見合わなく感じるようになってしまう上、採掘も完全作業であるためモチベを維持できるかが問題になってくる。 DLC「サマーセット」のマップであるアルテウムは敵不在で面積が狭く、占ってから掘り終わるのに5分と掛からずスキル経験値と金品が非常に効率よく稼げるため聖地とされている。 クラフター向けの高難度クエスト「マスター依頼」 クラフトスキルを上限の50にした状態でデイリークラフトクエストをクリアすると稀に上位のクエストであるマスター依頼を受けられる依頼書が貰える。 内容は武器・防具の種類と品質・モチーフ・セットの全てが指定されており、それを専用NPCに渡せばクリアとなる。 クリアで貰える依頼達成証を一定数集めるとそれに応じたレア素材・レシピ・家具などが交換できる。中には高額課金をしなければ手に入らないようなものが混ざっており、ハウジング嗜好やクラフターにとっての大きなモチベーションとなっている。 指定されるモチーフ(外見)の習得本探しが特に厄介であり、一発で全身全てを覚えられるスタイル書のあるモチーフなら良いのだが報酬も相応に安くなり、部位ごとに収集する必要のあるモチーフの場合は落とす場所を周回する必要が出てくる。 モチーフにトライアルダンジョン(試練)産が指定されることがある。試練はマッチング機能が無いためシャウトに乗るしか無いが、ここでコミュ力(英語力)の有無が明暗を分けてくる。モチーフをギルドストアで買う手もあるが相応に高額。 宝飾品(アクセサリー)は「ESO Plus」の会員か、DLCの「サマーセット」を導入しなければクラフト台自体を使用できず、また、品質強化素材の作成行程が他カテゴリーの10倍必要で下位素材自体も出にくいなど桁違いに難度が高い。 問題点 戦闘は大雑把 大多数PvEを前提にしているからか、ボス戦でも大味な戦闘。雑魚はボタン連打でさくさく進められる。 ソロコンテンツとPTコンテンツで難度が大きく変わるのはMMOの常だが、『ESO』の場合はその落差がとにかく凄まじい。 PTコンテンツの場合はDPSチェックや縄跳び系のギミックが多く、初見殺しが満載の覚えゲーになっている。 PvEのやり込み要素が薄い PvPとハウジングがエンドコンテンツと呼ばれるぐらいなのでPvEに関してはクエストの種類が多いものの全体的に温い。 サブクエストの報酬が僅かなゴールドと、微妙な品質と性能の装備一部位などと労力に見合わず、数が多くてもそれらをこなすモチベーションが沸き辛い。 メインクエストの進行時にサブクエストのクリア状態に応じて関連したNPCが登場することがあるぐらい。 DLCのベテラングループダンジョンは例外なく高難度でやりごたえはあるが、慣れてしまうと途端にやることがなくなってくる。 と言うのも所謂廃人装備と呼ばれるようなものが無く、装備レベルが同じなら性能の上下関係はほぼ無く、ただ用途が違うだけ。 装備強化に関しても強化素材の量を調整すれば最後まで成功率100%でいけるためかなりヌルい。 ボスの落とす装備品は確定ドロップな上に内容の抽選確率も等分であるため余程偏らなければさほど周回を必要としない。 グループダンジョンの装備品はギルドストアでの取引ができず、使わない分は素材へ分解するか商人NPCに捨て値で売らざるを得ない。 こういった点から金銭的な旨みも薄いため周回の意欲が湧きにくく、デイリークエストの分だけ義務的にこなすプレイヤーが多い。 MMOのPvPは基本的に先発が絶対有利で格差が埋まらないとされているが、このゲームはアイテム収集が容易で装備格差が発生しにくい。 故に純粋な団結力・練度勝負になりやすく後発でもPvP参加がしやすくなっている。 半面、PvEは色んな意味で浅く広くという言葉がしっくりくるような出来であり、PvPに重点を置いているという評価になるのは自然な流れともいえる。 試練に関しては英語力が無ければおそらく参加自体が難しい。 戦闘前の作戦立てなどでは素早いレスポンスを求められるので、辞書サイトをみながら悠長に打ち込んでいる暇はない。 昨今はチャット通話アプリのDiscord導入によるボイスチャットを指定しているケースが多く、野良では文章力どころかネイティブ英語のリスニングまで必要になることも。 試練産モチーフはクラウンでも買えてしまうため、試練が面倒な人はそっちで済ませてしまう事もできる。 チャンピオンレベルの強化、クエストと実績を埋める事で手に入る称号集めなどがあるが、こちらは逆に果てが見えなくなるため辛い。 時差問題 北米鯖でプレイを強いられるWin日本語版での深刻な問題。 日本時間は北米ニューヨークよりも凡そ13時間ほど進んでいる。 つまりゴールデンタイムと言われる日本での19~21時は北米ではまだ朝の通学・出勤タイムである。 この時間にランダムマッチングを開始したところで平日にマッチングを揃えるには非常に時間がかかる。 海外ギルドに在籍していればギルド活動時間がこちらだと早朝~朝方になっているケースがあるため色々と辛い。 システム面の不備 MMOではあって当たり前のミニマップは実装されていない。コンパスに目的地は表示されるが地形を把握してなければしょっちゅう立ち止まって地図を開く羽目になる。 通過可能の場所が分かり辛く、直線距離で行けると思ったら地形に阻まれて迂回しなければならないという例が頻繁に起こる。 ギルドストアではテキストによる絞込検索が出来ず、かなり不便。 これらの補填は現状アドオン頼み。 洋ゲー故の言葉の壁が厚い。 MMOというジャンル故にチャットコミュニケーションが多くなることは避けられないのだが、日本語版でもアクセスできるサーバーは北米鯖のみ。人口比の点から日本語で全チャが飛ぶことはまず無いと考えていい。 固定でのPT募集などの全チャは英文が基本なので、英語力が無いと参加そのものに躊躇しがち。どうしてもという場合は日本人ギルドを探したほうがいい。 このゲームの日本人人口が少ない最も大きな理由といえる。 ゲーム自体の問題ではないが、攻略サイトも日本語対応しているところがそれほど多くなく、情報を集めるにも一苦労。 日本語サイトは管理者が引退したなどの理由で情報が古いまま更新されていないケースもままあるため、情報を得るには情報の選別作業が必要という一種の矛盾を抱えてる。 多数のアイテム デフォルトではクラフト素材と一般道具のバックパックが共用。 クラフト素材だけでもかなりの種類があり、無課金でこれらのアイテムを維持しながらのプレイは困難。 ゴールドでバックパックの拡張ができるが、高額な上に素材の種類が多すぎるため焼け石に水。 「ESO Plus」に課金するとクラフト素材専用のクラフトバッグが解放され、クラフト素材は全てこちらに収納されるようになる。 ほとんどのプレイヤーは課金してこれを使用していると思われるが、元々有料で購入した上にさらに課金となれば財布には優しくない。とはいえ、基本無料なので追加課金しても『WoW』や『FFXIV』と同程度ではある。 不具合対応 MMOなら当然とも言えるが、大型アプデ直後などは不具合が多発しメンテ祭りが開催される。 メンテ時間はアメリカ時間が基準なので、日本時間だとゴールデンタイムにやたらと突き刺さる。 日を挟んでもメンテが終わらないということがよくあり、デイリー未クリア、ログインボーナスが取得できないことが多々ある。 米国産ゲームにお詫び文化などは存在しないため、基本的に補填対応は行われない。 また、騎乗動物など他国では貰える特典が日本版にだけ付いていないなど、所謂「おま国」要素も少なからず存在する。 最近の国産ではあまり見られない大規模ナーフも平気でするが、その際も補填らしい補填は無い。 バグ 一部クエストにおいて話しかけるNPCや倒すべきボスが出現せず進行不可になるバグが存在する。 長時間プレイが要求されるベテラントライアルダンジョンの深部で進行不能になろうものなら目も当てられない。 バグというより日本側スタッフの制作ミスだが、本来の性別と違うボイスで喋るNPCがいる。アンドーンテッド及びDLCゴールドコースト地域のデイリークエを取り扱うキャラなのだが、基本的には正常なボイスなのに、1ページ分だけ異性のボイスで喋る。かなりシュール(*12)。 おそらくキャラの名前だけでは性別を判別できなかったゆえのミスなのだろうが、地続きのはずの文章を分割して収録した理由は謎。 DLC DLC「闇の一党」と「盗賊ギルド」はステルス状態で隠れ、発見されずに遂行するパターンが多い。だが、隠れるための「大きな籠」が随所に用意されており、ここに入ってしまえば完全に追っ手をまけてしまう。たとえ追っ手の目の前で入ろうとも。実質ごり押しプレイあるのみ。 上記2つのDLCで追加されるどのクエストも基本的に敵NPCの行動経路を頭に叩き込む必要がある。慣れる方法は見つかって(あるいは死んで)覚えるのみ。 デイリークエストが死に覚えゲーなのはいいとしても、1回しかプレイできないという前提のメインクエストでさえなぜか死に覚えゲー。救済措置としてヤケクソ気味に「大きな籠」が配置されている。つまりゲームデザインが雑。 メインクエならば開き直って強引にクリアする手もある。ロールプレイ重視派にとってはやはり難点だが。 問題なのはデイリークエストの方。こちらは完遂すると装備モチーフアイテムがランダムで獲得できるため、完璧なプレイを目指さざるを得ない。 盗賊ギルド「強奪」のデイリークエでは主目標の他に盗むべきサブ目標が複数あるが、コンパスには出るのにマップには一つしか表示されず分かり難い。 闇の一党「黒き聖餐」のデイリークエはクリア困難。 まず基本的に難易度そのものが高い。 細かく入り組んだ地形でありながら、ターゲットのいる位置は大雑把な円でしか表示されない。時にはマップの4分の3が1つの円で示されていたりする。わかるか。隠し部屋にいる例もあるので、発見されるリスクを負いながら大雑把な範囲だけを頼りに探さねばならない。 相手が移動する時にしか背後を見せないため、暗殺するタイミングが極めてシビア(*13)なことも。 NPCの配置も極悪で、2~3人タッグで互いに補い合うように移動しているため付け入る隙もなかったり、死角の窪みにしれっと配置されていたりする。 メインターゲットを殺害した後でクエ放棄 → 再受諾するとターゲットが別の場所に再配置されるため、覚えたパターンすら無駄になる(*14)。 この上、「一度も発見されないこと」や「暗殺後、制限時間内に脱出する」などが完遂条件だが、クエストをやり直してもこれらのサブ条件が直ちにリセットされず、5~10分程度のクールタイムを要する(*15)というバグがある。失敗して覚えることが前提なのにリカバリがやり辛い。 舞台は3ダンジョンの中からランダム。このうち「密売人の洞窟」だけはスタート地点から隠し通路をくぐれば目の前にターゲットが配置されていることが多く、このダンジョンのみやや楽。 覚える労力や失敗する可能性を総合的に考えると、現状では「密売人の洞窟」以外に当たった時点でその日は諦めるのが最善という有様。しかもこのダンジョンですら完遂できる確率は5回に1回程度。 現状ではエンドコンテンツのはずのトライアルダンジョンより難しい。「闇の一党スタイル」のモチーフアイテムが報酬に含まれるが、仕様を考えると割に合っていないし、格好良い暗殺者ロールプレイには程遠い。 PTプレイで特定のDLCスキル・チャンピオンスキルの習得を前提とした動きを求められることがある。 特定のスキルラインにはスニーク関係の強化スキルがあり、雑魚敵の強いダンジョンでもスルーしてボスまで進めることができる。 ランダムマッチではこれらを駆使し、先行してショートカットするようなプレイヤーが多々おりトラブルが起きやすい。 総評 ファンが待ち望んだ『TES』のMMO。 サービス開始から2年経っているが完全日本語化されたので、英語しかなかったからと遠慮していた人もパッケージさえ買えばいつでもプレイできるので、是非手にとってもらいたい。 MODこそないものの、お馴染みの『TES』と今までになかった体験が待っている。 余談 本編の略称は『TES』であるが、本作は『TESO』ではなく『ESO』である。公式サイトでもこの略称が使用されている。 日本語版発売を記念して、英語版をプレイしている人を対象に期間限定で無償移行キャンペーンを行った。 が、各ゲーム情報サイトを通じてキャンペーン告知を行ったのがキャンペーン終了から1週間後というお粗末っぷりだった(参照)(*16)。 長らくCS日本語版が無かった『ESO』だが、2023年11月15日にようやく国内PS5/XSX/PS4/One版がダウンロード専売でリリースされた。
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Summoner Demonologist (Elf); Demonic Curse, inflicts x shadow damage every 2 seconds. Heals party members for the amount of damage dealt. Defiler (Xadaganian); Art of Reanimation, increases the strength and expertise of any summoned creature by 30% for 30 seconds. Savant (Arisen); Dark Touch, heals the summoned creature to full health.